ハピネススタディで幸せになろう!幸福学の研究成果に基づき、幸せになるために必要な技術を集めています。

幸福・幸せ研究室

「幸せ」を測る|幸福、幸せの測定方法とその歴史的経緯

幸福を科学的に計算するという試みは19世紀に遡りますが、本格的な研究が始まるまで200年近く待たなければなりませんでした。

1970年代以降、多くの心理学者や経済学者が幸福を測定しようと様々な試みを行い、その中で私たちの幸せに関する意外な事実もたくさん明らかになってきました。

「幸せを測る」とは?

測る対象となる幸福には、

主観的幸福 SWE:subjective well-being
客観的幸福 OWB:Objective well being

の二種類があります。

主観的幸福の測定では、一日の中の特定の行動がどれくらい愉快か・不愉快かを聞いたり、生活や人生全体についてどの程度満足しているかを選択肢を用いて聞いたりします。

回答が主観によるものなので、その日の天候や気分、環境の影響を受けるという問題があります。

一方、客観的幸福の測定では、収入、学歴、健康状態、脳の機能といった客観的なデータを使います。

主観的幸福と客観的幸福の双方の測定結果を合わせて研究することで、

  • 収入が多いと幸せか?
  • 学歴の高低は幸せに関係があるか?
  • 失業すると不幸か?

といった、どういう活動や経験が幸福感/不幸感に関わるのか、人々の人生満足度の違いに大きく関与するものは何か、というようなことについて、多くの知見が積み重ねられています。

「生活満足度」とは?

幸福度の研究成果がニュース等で取り上げられる際、「生活満足度」という言葉をしばしば耳にします。

これは、生活に対する満足度について尋ね答えさせたもので、厳密には「幸せ」とは異なる意味合いです。

しかし、近い概念であることから、一般的には主観的幸福の指標と考えられています。

ベンサムの「快楽計算」

以上のように、現代では幸福の測定が可能となり、世界の国々の幸福度調査なども行われるようになっています。

しかし、このようになるまでには長い年月がかかりました。

幸福を科学的に測定するという試みは、18~19世紀に活躍したイギリスの哲学者であり、法学者でもあり、経済学者でもあるジェレミ・ベンサムまで遡ります。

快楽を最大化し苦悩を最小化することで、最大多数の最大幸福を保証することに政府の最重要目標が置かれるべきだと述べた超有名人です。

彼は、政府は政策を提案する際に、予想される快楽と苦悩を計算し、差し引きした純幸福が最大になるものを選ぶことができると述べました(ベンサム『道徳と立法の諸原理序説』)。

この考えは当時多くの関心を集めました。

「最大多数の最大幸福」は計算できなかった

ベンサムは今もなお重要な人物であり、「最大多数の最大幸福」は現在においても政治理論の学説の中で今もなお必ず触れられます。

しかし、幸福の計算を政策決定に活かすという方法は、ベンサムが期待したようにはうまく機能しませんでした。

主な理由は2つあります。

1つ目の理由としては、ベンサムや彼の考えを支持する人たちが、快楽と苦悩の強さや持続期間の測定方法を明らかにできなかったこと。

2つ目は、政策の効果を予想するために必要な、多くの人が抱く多種多様にある多くの感情を集計する方法を明らかにできなかったことです。

その結果、ベンサムの幸福(快楽)計算は長い間、政治学者や哲学者が行う抽象的な議論のテーマになっていたのでした。

イースタリン・パラドックス ―所得が増えても幸せにならない

1970年代に入り、状況がガラッと変わります。

リチャード・イースタリンによる「イースタリン・パラドックス」の提唱は、その大きなきっかけとなりました。

アメリカでは一人当たりの所得が大幅に伸びたにもかかわらず、幸福度の平均水準はほとんど上昇していない、ということを、リチャード・イースタリンをはじめ多くの研究者が報告したのです。

他の先進国においても同様で、日本では1980年代半ば以降は一人当たりGDPが増えても、生活満足度は上がらないどころか下がっていく現象が見られました。

これは、
「経済成長が人々を幸せにする」
「お金が増えれば幸せになる」
と考えていた人たちに大きな衝撃を与えました。

以降、心理学や経済学をはじめとした諸分野で幸福に関わる要素の研究が盛んに行われるようになり、幸福の測定方法も発展していくことになります。

あなたはどれくらい幸せ?「幸せ」を測る、幸福度測定ツール

自分は今どれくらい幸せだろう?と気になったことはありませんか?世界の中でも幸福度が低め、先進国では断トツで幸福度が低い日本で、あなたの幸福度を測れる測定ツールをご紹介します。

現在の幸福度測定、幸福の研究

1970年代以降、多くの国において、

人々はどのくらい幸せか?
世代ごとに満足度はどのように異なるか
人々の生活に対する評価に大きく影響する環境や経験は何か?

といったことが調査研究の対象となり、多くの実証結果が蓄積されてきました。

幸福や幸せをテーマとする学術雑誌も登場し、幸福に関する論文が多数発表され、幸福に関する国際会議や学会も開催されています。

書店にも、個人的な幸福論だけでなく、科学的に実証された幸福に関する書籍が多く並ぶようになりました。

こうした流れの中で、お金と幸せの関係や、人々は自分を幸せにしてくれるものが何かということを驚くほどわかっていない、といったことが明らかにされてきました。

このウェブサイトでは、そうした科学的な研究によって明らかになった「幸せになる方法」を集めています。

幸せになりたい人がするべき科学的根拠のある25のこと

これをすれば幸せになれる!幸福度アップが科学的に証明された25の行動をご紹介します。幸せになるには、幸せ・幸福につながる正しい方法を知り、それを実践する必要があります。

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