楽観的なものの見方ができるようになることは、幸せになるためにはとても大切です。
楽観的とは
例えば、
- 物事のプラスの面に注目する
- 悪い状況にあっても希望を見出す
- 正しいものを見ようとする
このような行動は楽観的と言えます。
楽観的になるということは、世界をどう見るかという視点を選ぶことです。
ネガティブなものを否定することでもなければ、好ましくないことを避けることでもなく、「何かいいことが起きるはず」とただ待っていることでもありません。
また、笑顔で耐えようとか、心配するのはやめようとかいった、表面的なことでもありません。
楽観的であることのメリット
楽観的になると、良いことがたくさんあります。
楽観主義のメリットを一部挙げましょう。
悲観的な人より苦痛が少ない
困難に直面したとき、楽観的な人は悲観的な人ほど苦痛を感じません。楽観的な人の不安感や抑うつ感は、悲観的な人よりも大幅に少ないことが知られています。
ネガティブな出来事によりうまく対処できる
ネガティブな出来事(例えば心臓の手術、がん、エイズといった深刻な病気を含め)に、よりうまく対処できます。
物事に対応する力がある
楽観的な人の、様々な出来事への対処の特徴としては、
- 問題に焦点を当てた対処
- 良くない状況を可能な限り良い条件で捉え直す再解釈
- 計画の立案
- 自分の力ではコントロールできない状況の受け入れ
- ネガティブな状況からの学び
このようなことが挙げられます。
そのため困難があっても、悲観的な人よりも能動的に取り組み、物事にうまく対応できます。
悪い状況を認める
悲観的な人は問題から距離を置こうとしがちですが、楽観的な人は悪い状況を否認しない傾向にあります。
例えば、体の不調のサインによく気付き、将来深刻な問題にならないように積極的に問題に対処しようとします。
途中で諦めない
楽観的な人は、継続的に努力して、途中で諦めない傾向があります。何らかの方法でどんな状況にも対処できると信じているからと考えられます。
それに対して、悲観的な人は最悪の事態を予測する傾向が強く、その結果、諦めが早い傾向があります。
より健康
楽観的な人は、健康を増進させる行動(健康的な食事、適度な運動、定期的な健康診断など)を多くとるため、悲観的な人よりも、
- 心身の満足度が高く健康的
- ストレスが多くても心身の健康を保つ
- 免疫力が高く、感染症にかかりにくい
- 生活習慣病になる確率が低い
- 長寿
という特徴があります。
より生産的
楽観的な人は職場において、悲観的な人よりも生産的であると言われています。
楽観的な人の、以下のような特徴が影響している可能性があります。
- 意欲的で、率先して行動する
- 自分に自信を持ち、運命をコントロールできると感じている
- ネガティブな状況においても最善を尽くそうと努力して成長する
- 自己実現に結びつく考え方をする
- 自分自身により難しい目標を設定する傾向があり、一層成長する
楽観的になる方法 ―楽観主義は習得できる
楽観性には遺伝的な要素もあります。
家庭の環境や親の教育、幼少期の経験が影響を及ぼすこともあります。
しかし、大半の楽観主義者は生まれつき楽観的だったわけではありません。訓練で楽観主義を身に付けた人が多く存在します。
トレーニングによって楽観的な思考を身に付けることは可能です。楽観的な考え方が習慣になるまで実践し続ければ、多大な恩恵があるはずです。
楽観的な考え方を身に付ける「説明スタイル」
「説明スタイル」とは、過去に起きたポジティブまたはネガティブな出来事の原因や影響を説明するやり方のことを言い、その基準には
- 内的・外的
- 普遍性
- 永続性
の3つがあります。
何らかの出来事に対して、あなたはどのような考え方をするでしょうか。楽観的・悲観的どちらの傾向が強いか、まずは自分の癖を知りましょう。
必要に応じて悲観的な考え方を楽観的に変換する練習をして、楽観的な考え方を身に付けることができます。
防衛的悲観主義 ―すぐに楽観的になるのが難しい時に
生まれつき悲観的な傾向が強く、長年悲観的に考えてきた人が、急に楽観的になるのは難しいかもしれません。
悲観主義者の中には、楽観的になる方法を学んだり、ポジティブになろうとしても、それがあまり有益にならない人もいます。
そういう場合に役立つのが「防衛的悲観主義」です。
最悪の事態を想定した上で、回避策を考え、準備します。楽観的になるよりも、期待を低く持ったときの方が、より良い結果を出せるのです。
悲観的でも成功する人が一定数いるという事実に注目した心理学者が研究して明らかになったもので、ただの悲観主義とは異なるものとされています。
極端な楽観主義?「ポリアンナ症候群」
「ポリアンナ症候群」とは、エレナ・ポーター『少女ポリアンナ』の主人公ポリアンナにちなんだ呼び方で、極端なポジティブシンキングでポジティブに逃避する心的疾患を指します。
問題に直面した際などに、
・微細な良い部分だけを見て満足し、問題の解決に至らない
・現状より悪い状況を想定して、そうなっていないことに満足して改善に至らない
といった状況が起こり得ます。
悲観主義が形を変えたものという説もあります。
注意:楽観主義にならない方がいいときもある
例えば、
- リスクの大きいことを計画する時
- 将来の見込み、見通しが不確かな時
- ある人の困難な状況について同情的であることを示したい時
といった状況では、楽観的に考えることは望ましくありません。
判断の基準は、「失敗した場合どうなるか」を考えること。
楽観的に考えて実行して失敗したら取り返しのつかない重大事になる時など(自動車の運転等)、むしろ悲観的な考え方が望ましい時もあります。
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