コロナ禍の2021年も、3月20日には世界幸福度報告が発表されました。
2021年版では、世界におけるCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対する取り組みとその影響に焦点を当てています。パンデミックが幸福に与える影響について詳細に分析していて、なかなか興味深いです。
目次
コロナ禍中のメンタルヘルスと幸福
第5章のテーマはメンタルヘルス。
コロナ禍の影響は、すでにメンタルヘルスの問題が多いグループ(女性、若者、貧しい人々)においてメンタルヘルスの低下がより大きく、精神的幸福における既存の不平等を増大させる結果となりました。
現在自殺が、特に女性や若い人の自殺が増えています。死を自ら選ばせないためのヒントが、この報告にありそうです。
コロナ禍中の社会的つながりと幸福
第6章のテーマは、社会的つながり。
コロナ禍においては、人と物理的に距離を置く必要があります。不要不急の用事は先送りにして、外出を減らし、出勤も減らせという具合に。
このことは私たちの幸福に不可欠な、社会的つながりに重大な影響を及ぼしました。つながりの感覚が減った人、孤独感が増した人、社会的支援が減った人は幸福感が減少したのです。
一方、幸福を構成する様々な要素は、つながりの感覚を保持するのに役立ちました。例えば、感謝の気持ち、ボランティア活動、運動、ペットの飼育、メンタルヘルスを促進するデジタルプログラムなど。
世の中がどんな状況でも、誰かとつながっているという感覚を持てることが、幸福の維持には大切なんですね。
コロナ禍中およびコロナ後の仕事
第7章のテーマは仕事。
働けないということは幸福に悪影響がありましたが、仕事を続けている人にとってはパンデミックの影響はまちまち。職場の状況や、職種によってかなりの差があるからでしょうか。
日本でも、最初の緊急事態宣言後ずーーーーっとテレワークの人がいたり(私の周囲では、外資系とか大企業に勤めている人がそうです)、テレワークなんてありえない人がいたり。
最初の緊急事態宣言後ずーっとテレワークをしている人の中でも、精神的にまいってきている人や、むしろ楽しんでいる人がいたりします。性格や物事のとらえ方、社会的つながり等で差が出そうです。
コロナ禍およびコロナ後においては、パンデミックの最中でも人が幸福を保ちながら働ける工夫が、雇用側にも労働者にも必要なのでしょう。
世界幸福度ランキング2021
さて、ようやく本稿タイトルのランキングについてです。
2020年のみのデータによるTOP10は以下の通り。
- フィンランド🇫🇮
- アイスランド🇮🇸
- デンマーク🇩🇰
- スイス🇨🇭
- オランダ🇳🇱
- スウェーデン🇸🇪
- ドイツ🇩🇪
- ノルウェー🇳🇴
- ニュージーランド🇳🇿
- オーストリア🇦🇹
例年通り、北欧諸国が上位を独占しています。
欧米諸国が上位にランクインしやすい指標を用いているからじゃねーの、というご意見ももっともではありますが。
我が国日本は、大きく順位を上げて40位でした。
コロナの影響を大きく受けた国の幸福度が下がり、その中において日本は他の国々ほどコロナの影響を受けなかったので相対的に順位が上がった、日本の幸福度が本質的に上がったわけではない、と個人的には考えていますが、真相はいかに?