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書評

[書評] クリストファー・ピーターソン『ポジティブ心理学入門 』:「良い生き方」科学的に考える最高の入門書

投稿日:2019年7月1日 更新日:

クリストファー・ピーターソン『ポジティブ心理学入門 』のイメージ画像

おすすめ度 
2012年7月、春秋社

マーティン・セリグマンと共にポジティブ心理学を創始したクリストファー・ピーターソンさんによる、ポジティブ心理学の入門書。

ポジティブ心理学の入門書としては、心理学の専門家ではない日本人が平易に書いた新書が多くありますが、心理学の一流の研究者によって一般向けに書かれており、しかも実践的。

また、著者の知見は心理学のみならず哲学を始めとした人文科学から様々な社会科学まで幅広く、人の幸せを知りたいという知的好奇心を高度に満たしてくれます。

ポジティブ心理学の入門書としては、著者・内容・質・量、どこをとっても最高と言える一冊。

著者について

著者のクリストファー・ピーターソン氏は、マーティン・セリグマンさんと一緒にポジティブ心理学を始めた人です。

1986年から米国ミシガン大学心理学部教授を務めていて(本書の執筆当時も同職)、ポジティブ心理学運営委員会委員でもあり、ミハイ・チクセントミハイ、エド・ディーナーといったポジティブ心理学の大御所の研究者らとともに、ポジティブ心理学の方向付けをしてきました。

執筆の背景

主要ターゲットとして想定されているのは、大学教養課程の学生や、心理学を専攻していない一般の読者です。

ポジティブ心理学に対する関心は世間で高まっているものの、メディアやSNSでは研究のごく一部が断片的に偏って広げられてしまうことがしばしばあります。

そのような状況の中、様々な情報を鵜呑みにするのではなく批判的に捉えるように指導されたことのない人々をより強く意識して書かれています。

そのため、心理学という科学の一分野において、何が明らかになり、何がまだ明らかになっていないのかということを、一般向けにわかりやすく、しかもバランス良く書かれている本です。

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内容紹介

本書のテーマ

テーマは言うまでもなく「ポジティブ心理学」ですが、ポジティブ心理学が心理学の一分野であることから、一般的な心理学の観点から書かれています。

また心理学は科学なので、良い生き方が「科学的に」探究されています。

内容は、
「ポジティブ心理学とは何か」
「ポジティブ心理学について学ぶとはといういことか」
という基本中の基本から始まり、以後、

  • 快感
  • 幸せ
  • ポジティブ思考
  • 強み
  • 価値観
  • 興味、能力、達成
  • ウェルネス(健康、病気)
  • 対人関係
  • 良い制度

といった、私たちの人生と幸せに深く関わるテーマについて、一章ごとに書かれています。

著者はポジティブ心理学の専門家

日本では、ポジティブ心理学や心理学の専門家ではない人たちが、ポジティブ心理学の研究成果を紹介する体の入門書が多く刊行されています。

そうした本にはそれなりの価値がもちろんあるのですが、同じくポジティブ心理学の入門書である本書が決定的に異なるのは著者のポジション。

前述の通り、著者はマーティン・セリグマンと共にポジティブ心理学を創始したクリストファー・ピーターソンさんです。

ポジティブ心理学の創始者が、一般の人にポジティブ心理学を正しい形で伝えるべくが書かれた入門書である本書の価値は、言うまでもありません。

評価、感想

本書はまず、心理学の研究者でありポジティブ心理学の創始者が書いたという点で、その価値を推し量ることができるでしょう。

ポジティブ心理学については上記の通り、心理学の専門家ではない人たちによる入門書が多数出版されているし、SNSや様々なWebメディアでも取り上げられ、断片的に知っている人は多くいることと思います。

しかし、そうした情報の切れ端には知識としては偏りがあり、かつ専門家でない人の信念や私的な体験などの雑音が混ざっています。

そうした状態から、さらに一歩踏み込んでポジティブ心理学についてもっと知りたい、雑音を排して正統な内容や理論を偏りなく知りたい、という人に心底おすすめします。

大学の本当の一般教養レベル

大学では昔、担当の先生の著書を教科書にして何年も同じ講義を続けるタイプの授業がしばしばありましたが、ここでいう「一般教養レベル」とはそういうものとは異なる、本来あるべき望ましい意味でのレベルを指します。

そのため、タイトルに「入門」とあるからといって読書に縁のない人がいきなりこの本に手を出したら、少々ハードルを上げ過ぎたと感じるかもしれません。しかし普段から色々なことを意欲的に学んでいる人にとっては、簡単すぎず難しすぎず、ポジティブ心理学の入門書して最適ではないでしょうか。

本書で扱う題材は、誰でも馴染みやすいものが選ばれており、心理学を学んだことがある人でもない人でも、良い人生、良い生き方について「科学的に」考えらるようにしてあります。

大学の教養課程の一学期間(4か月ほど?)で学べる内容と著者が書いている通り、レベルや内容量は放送大学教養学部導入科目の印刷教材1冊分に匹敵すると思いました。

内容に古びた感なし

本書が現在の形で春秋社から刊行されたのは2012年。

原本の執筆が2006年なので、その後現在までにはさらに研究が進んだ点はたくさんありますが、もともと最新の研究を紹介するために書かれた本ではありません。

現時点においても、読む価値はかなり高いと言えるでしょう。というか、これを超えるポジティブ心理学の入門書は今でも他にはないのではないかと思います。

座学で終わない、実践エクササイズ付き

この本の特色として、各章の終わりにある「エクササイズ」が挙げられます。

ポジティブ心理学は、生活の中で実践してこそ良い生き方につながるります。

ポジティブ心理学を自分の生活・人生において実践し、より良い生き方を読者各自が探究していけるように、ポジティブ心理学の実践方法を提示してくれているわけです。

各章での学びを座学で終わらせることなく、実践する段階まで背中を押してくれます。

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