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[書評] ソニア・リュボミアスキー『幸せがずっと続く12の行動習慣』:入門に最適の良書

ソニア・リュボミアスキー『幸せがずっと続く12の行動習慣』のイメージ画像

おすすめ度:
2012年2月、日本実業出版社

本書が教えてくれる「持続する幸せ」を得る方法は、わかりやすく、実行しやすく、科学的な根拠に基づいています。
幸福学の入門書としては、最適の良書です。

著者と概要

米カリフォルニア大学心理学教授ソニア・リュボミアスキー(Sonja Lyubomirsky)氏による著作。中国や韓国といったアジアの国々から、高幸福度で名高いデンマークまで、15を超える言語に翻訳された世界的なベストセラー

著者のリュボミアスキー氏は、幸福学が今のような盛り上がりを見せるずっと以前、彼女がまだ22歳の学生だった頃(1988年頃)から幸福を研究テーマとし、永続する幸福を科学的に追及してきました。

  • 幸せとはどんな状態を言うのか?
  • 幸せにはどんな謎が秘められているのか?
  • 人は幸せになろうとしてなれるものなのか?
  • 手にした幸せは続くのか?

幸せについてのこのような基本的な疑問を解き明かすために、幸せな人を観察し、研究を重ね、「幸福度の高め方」を科学的に証明することにキャリアを捧げてきた「幸福の専門家」である著者からのメッセージが、本書に凝縮されています。

内容について

本書が執筆されたのは2007年で、日本で出版されたのは2014年。
この書評を書いている現在は2019年。
執筆から12年も経っていますが、内容は少しも古びていません。本書で提案されている12の行動習慣は、古びているどころか、人間の脳がよほど大きな進化を遂げない限り有効なのではないでしょうか。

もっとも、この本に書かれている「12の行動習慣」は、特に珍しい行動ではありません。感謝する、楽観的になる、考えすぎない、他人と比べない・・どれも、自己啓発書に書いてあったり、長く生きていれば心がけるようになったりするようなことかもしれません。

しかしこの本の特徴は、ではなぜそのような行動習慣が幸せに結びつくのか、実際にそれらの行動を習慣にしたらどのような変化が人に起こるのかを、数々の実験や研究から得られた科学的根拠に基づいて書かれている点です。

そのため「そんなに効果があるなら、やってみようかな」という気持ちを後押ししてくれる上に、本書の最後部では、行動を習慣にするコツについても解説してくれています。幸福に結びつく行動を、継続して習慣とするにはどうしたらいいのかについても教えてくれて、まさに至れり尽くせりです。

感想

この本のサブタイトル「自分で変えられる40%に集中しよう」は、原著タイトル「THE HOW of HAPPINESS」の答えでもあります。人の幸福の50%は遺伝的要素、10%は環境で決まり、個人の努力でなんとかなるのは残りの40%だとのこと。この40%を幸せにつながる行動習慣と結びつければ、持続する幸福を得られる、というわけです。

幸せは、待っていれば降ってくるものではなく、自ら変化することで近づいていけるもの。

人生を変えたい人、幸せになりたい人にぜひ手にとっていただきたい一冊です。

ソニア・リュボミアスキーのイメージ画像
ソニア・リュボミアスキー(1966~)

このページは、ソニア・リュボミアスキー(1966~)についてのページです。公式ウェブサイトからSNSアカウント、ウィキペディアまでまとめました。

おまけ

上は真面目な書評。
ここからは気楽な独り言。

この本は実際、幸せへの道を模索している人には、本っ当におすすめです。
一歩踏み出すきっかけとなるというか、「何かしてみよう」という気にさせてくれるというか、幸福への道を進むのに背中を押してくれます。

私は幸福学を学び始めて7年ほど経ってからこの本を手に取りましたが、それでも読む価値はありました。書いてある行動は既に全部ほぼ習慣になっていて、今とても幸せです。

幸せになる方法を知りたい。
けどどうしたらいいのかわからない。

という方。
ぜひこの本を手に取って、確実な一歩を踏み出してみませんか?

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