ハピネススタディで幸せになろう!幸福学の研究成果に基づき、幸せになるために必要な技術を集めています。

幸福・幸せ研究室

幸せになる技術

幸せになる技術 ―フローを体験しよう!

投稿日:2019年3月14日 更新日:

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何かに没頭した状態や、現在に完全に熱中している状態を指す「フロー」。
人生はフロー体験を重ねていくことで、より充実して幸福なものになっていきます。

フローとは

「フロー」とは、高度に没頭する活動に伴う精神的な状態を表します。何かに没頭し、現在に完全に熱中していて、時間が経つことも、我も忘れている状態です。

何かに熱中するあまり、トイレに行くことも、空腹も忘れていたことはありませんか?
そのような状態が「フロー」です。

スポーツで言う「ゾーン」は、フローが高まったもの。画家や音楽家は「恍惚状態」と表現します。スポーツ、絵画を描くこと、音楽を奏でることは全く違った活動ですが、それぞれに完全に没頭したときの体験の内容はよく似ています。

フローの体験中は、超集中している状態の中で、

  • 時間の経過と自我の感覚を喪失
  • 行動をコントロールできているという感覚
  • 世界に全面的に一体化している感覚

このような感覚を得られます。

こうした状態を、多くの人がよどみなく自然に流れる水に例えて表現するため、「フロー」と名付けられました。

フローが幸福に効くわけ

フロー状態のとき感情はどこかに行ってしまっていますが、フローを体験した後には幸福感がたかまると言われています。

フローが幸福度にプラスの効果をもたらす理由は主に2つ。

1つはフローの性質にあります。

フローの性質

  • 楽しい
  • わくわくする
  • 充実感を覚える
  • 続けていると喜びが増す
  • 自然な高揚感が得られる
  • 有意義で創造的

2つ目は、このような性質のフローを経験することによる影響です。

フローの影響

  • 人生に対して、受身的になるのではなく、主体的になる
  • 活動を、退屈に思うのではなく、楽しむようになる
  • 無力感を覚えるのではなく、物事をコントロールしている感覚を得る
  • 劣等感よりも自信を持つようになる

これは、フローによって「心理的資本の構築」と呼ばれる現象が起きていると考えられます。フローの影響で増すポジティブ感情が、良い結果に展開させる心理的資本を形成し、人生は有意義かつ豊かになり、幸福度も増していくと考えられるのです。

なお「楽しい」「わくわくする」といったフローの性質は、フローの後で感じることであって、フローの最中に感じることではありません。

フロー体験を増やそう!

私たちは生活上で多くの意識と時間を仕事(もしくは勉強)に割いています。仕事においてフロー体験を増やせると、人生は格段に有意義になると考えられています。

フローを経験する頻度は人によって大きく異なりますが、青年期においてフロー経験が多い人ほど創造的な分野で大成するなど、長期的にも望ましい結果が示されています。

また、フロー状態になると作業や仕事がとんとん拍子に捗って、内容のクオリティは高くなり、生産性が非常に高まります。

仕事への認識を変える

自分の仕事を、「やらなければならないからやっているだけ」の必要悪で、お金を得るためだけのものとみなしていると、仕事でフロー状態を作り出すことは困難です。

たとえ簡単な単純作業でも、全体における自分の仕事の役割を深く認識し、その中で何らかの目標を立て、その達成に向けて工夫したり努力したりする中で、フロー体験は作り出せます。

仕事を自分の「天職」とみなす人たちは、フロー状態を最も作り出しやすいとされていますが、自分の仕事を「天職」とみなすかどうかは、自分次第です。自分の仕事にどれだけプラスの面を見出せるか、今までとは違う視点で改めて見直してみると良いでしょう。

夢中になれる趣味を持つ

働き方改革により、会社に縛られる時間が減った人は多くいるのではないでしょうか。急に自由な時間が増えても、やることがなくて戸惑う人もいるかもしれません。

しかし、この自由時間を使ってフローを経験することで、人生を有意義なものにして、幸福度を増すことができます。

チャレンジしている時、何か新しいものを発見することに完全に没頭している時に、私たちの脳は心地よいと感じます。

アフター5や休日はアクティブに!

休日や終業後に、なんとなくテレビを見る、スマホを見る、頭を使わなくても理解できる本を読む、なんとなくお喋りする。

このようなことにより、短期的には気分が良くなった気がしますが、後には実はぼんやりとした不満足感が残ります。これらの活動は、余暇の過ごし方としては幸福度を下げることが分かっています。

一方、スポーツや芸術的な活動等、能動的に行う趣味に自由時間を充てるのは、余暇の使い方としては大変望ましく、しかもフローが訪れやすくなります

ネットサーフィンやテレビが一様に悪いわけではありません。割合、バランスの問題です。

他人と共同で行う活動を増やす

芸術的な創作活動やロッククライミングなど、孤独な活動でフローが引き起こされると思われがちですが、フロー体験の具体例としてはむしろ、他人との協調の中で起こるものが多く知られています。例えば、

  • 良質な会話
  • 合奏
  • チームスポーツ
  • 職場でのチームワーク

などです。

フローを起こす条件

フロー状態を体験するのに必要な条件は、数々の研究で明らかにされてきました。

フロー体験のポイントは、明確な目標、挑戦、スキル

能力を最大限に発揮して何かに取り組むときにフローが起こります。そのためフロー状態になるには、スキルと取り組むべき課題が最適な均衡状態であることが条件となります。

目標なしでは、精神を集中させるのは困難です。仮にフローを体験しなくても、目標に一致することを何かするだけで、精神状態は改善します。

フローを提唱したミハイ・チクセントミハイは、フローを起こす条件を以下のように提示しています。これらの条件を設定することで、意図的にフロー体験を増やしていきやすくなります。

明確な目標と進捗

目標やゴールが設定されていて、そこに至るまでの過程のどこに自分がいるのかがすぐにわかること。

迅速なフィードバックのもとで、自分は何をどの程度できていて、何をするべきかを自覚できることが大切です。

スキルを少し上回る程度のチャレンジ

目標やゴールを「少し頑張ると達成できる」程度に小分けにすると良いでしょう。挑戦する課題とスキルが、高いレベルで拮抗しているのがベストです。

簡単すぎるゴールではスキルアップができず退屈で、どんなに頑張っても達成できそうにない目標は不安やストレスの原因となります。

なお、スキルが向上するにつれて、フローを可能とする活動のレベルは変化していきます。厄介なことですが・・そのため、スキルが上がるにつれて、取り組む課題も少しずつ上げていく必要があります。公文やそろばん塾みたいですね。

自己目的型の活動

活動そのものが目的である=「したいからしている」状態。

完全な集中、時間感覚の喪失

今していることに集中し、他の刺激や情報に惑わされない状態。

時間が経つのも忘れ、数時間が数分のように感じるなど。

行為と意識の融合

楽器を演奏する人は楽器、テニスプレイヤーならラケットなど、使う道具との一体化。

コントロール感覚

自分の活動を自らコントロールしている感覚を持ち、失敗への不安を感じない状態。

良くない状態

  • 目標がない、もしくは不明瞭
  • チャレンジが高すぎ、もしくは低すぎ
    高すぎるとストレスや不安を感じ、低すぎると退屈になります。
  • フィードバックが遅いか存在しない

日々の活動でフロー体験を増やしていくには、フロー体験を阻害する状況をできるだけ避け、フローを起こすのに必要な条件を設定することが有効です。

フローと似て非なる「ジャンク・フロー」

時間が経つのも忘れるほど何かに集中する、という経験は、テレビやパチンコ、ゲーム、ネットサーフィン、くだらないうわさ話などでも得られることがあります。

ネットサーフィンをしていたらいつのまにか数時間経っていた、という状態は時間の感覚を失っているのでフローのように見えます。

しかしこれは「ジャンク・フロー」もしくは「疑似フロー」と呼ばれるもので、フローの要素をいくつか備えてはいますが、能力が試されることもなく、活力や満足感は高まりません。当然、成長にはつながらず、達成感よりも空しさや「時間を無駄にしてしまった」という後悔が残りがちです。

人はともすれば楽な方に流れがちです。また、多くの企業がジャンク・フローを引き起こす商品を強烈にアピールしてきます。そのため困難で実りある本物のフローよりも、気楽に体験できるジャンク・フローの方につい流れてしまうのかもしれません。

おわりに

フローの最中は、幸福を感じる余裕はありません。
フローの間、完全に集中しきって、自意識は消滅しているからです。

フローを感じる活動を終えると、起きたことや、自分が成し遂げたことを振り返る余裕ができて、その体験の素晴らしさで幸福度が増します。フローを思い返し、回想する中で、幸せになっていくのです。

フローは、特別なアスリートや芸術家だけの特権ではありません。
私たちもどんどん!フローを体験していきましょう!!

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フローについて参考文献

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